Research
研究内容

オープンデータを活用したオープンな建物地図データベースの開発
近年,詳細な地図データベースは,まちづくりや防災計画など多岐にわたる分野での活用が期待されています.しかし,個々の建物情報を含む地図は,個人情報保護の問題や費用の高さから,誰もが簡単に利用できるものではありませんでした.そこで,私たちはオープンデータを活用し,詳細な地図データベースを誰もが利用できるようにすることを目指しています.その第一歩として,既存の地図情報と公開されている統計データを組み合わせ,AI(機械学習)を用いて建物を「戸建て」と「それ以外」に自動で分類する技術を開発しました.この技術では,まず特定の地域(新潟県長岡市)のデータからAIに建物の特徴を学習させ,別の地域(新潟県三条市)でその分類を実践しました.さらに,国勢調査のデータと照らし合わせることで,地域ごとの戸建て住宅の分布を高い精度で再現することに成功しています.この研究で開発した技術は,これまで作成が難しかった建物の種類ごとの分布データを効率的に生み出すことを可能にします.将来的には,この技術を発展させることで,より詳細な地図データベースを誰もが利用できる形で提供し,安全で住みやすいまちづくりに貢献することを目指します.
